千葉大学公共研究センター

千葉大学公共研究センターの活動や、千葉大学公共学会の機関誌『公共研究』についてのお伝えしてます。https://pub-a.le.chiba-u.jp/

シリーズ「持続可能な福祉社会へ【公共性の視座から】」刊行中

 本プロジェクトの先行プロジェクトにあたるCOE「持続可能な福祉社会に向けた公共研究拠点」の成果をまとめたシリーズ「持続可能な福祉社会へ【公共性の視座から】」が、勁草書房より刊行されています。2010年6月現在、第1巻「コミュニティ」と第3巻「労働」が刊行されており、第2巻「環境」と第4巻「アジア・中東」も続いて刊行される予定です。ぜひお買い求めいただければ幸いです。

第1巻「コミュニティ―公共性・コモンズ・コミュニタリアニズム
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【内容紹介】
格差や社会的排除への防波堤として、従来型共同体の再生ではなく、「個人の自立」を基礎とする新たなコミュニティをどう築くか。コミュニタリアニズム、コモンズ等コミュニティに関わる理念から展望するとともに、まちづくり、緑地福祉、ケア等具体的な事例を通じ、今後の日本社会における公共性とコミュニティ再生の方途を追求する。

【目次】

序論「持続可能な福祉社会」と「公共研究」 [広井良典]

第1部 コミュニティと公共性
 第1章 コミュニティとは何か[広井良典] 
 第2章 地球的コミュニタリアニズムに向けて──ウォルツァー正戦論を超えて[小林正弥] 
    第3章 生態系サービスの持続可能性とコミュニティによる管理[倉阪秀史]
 第4章 日本におけるコミュニタリアニズムの可能性[菊池理夫] 

第2部 コミュニティと場所/空間
 第5章 コミュニティを空間的に取り戻す[岡部明子]
 第6章 流域主義で行こう[角田季美枝] 
 第7章 場所の感覚と「グローカルなコミュニティ論」 [吉永明弘] 

第3部 コミュニティへの学際的アプローチ
 第8章 近代都市計画の空間形成によるコミュニティの変遷[加藤壮一郎]
 第9章 ケア・コミュニティ・世代間交流[黒澤祐介]
 第10章 行政・コミュニティ・公共性──支援・媒介的行政による協働と自治の実現[宮崎文彦] 
 第11章 共同体と市場──シティズンシップの政治経済論[一ノ瀬佳也]

第4部 コミュニティの拠点としての大学
 第12章 大学-NPO連携福祉環境交流センターの試み
 第13章 「こども大学」の可能性[田村光子]

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第3巻「労働―公共性と労働‐福祉ネクサス」

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【内容紹介】
正規雇用、ワーキング・プアなど「労働」をめぐる諸問題は「公共性」の問題である。理論的・歴史的視座から労働の公共性を問う。

【目次】

序論 新たな労働のあり方を求めて[安孫子誠男・水島治郎]

第1部 枠組み
第1章 労働問題研究と公共性[兵藤 釗]
第2章 〈労働─福祉ネクサス〉論の問題[安孫子誠男]
第3章 フレキシキュリティデンマーク・モデル[若森章孝]
第4章 法的概念としての「労働」[皆川宏之]

第2部 歴史
第5章 近代奴隷制プランテーションの経営と労働──18世紀サン=ドマング島を事例に[大峰真理]
第6章 労働からみた帝国と植民地[浅田進史]
第7章 〈ポスト大転換システム〉の歴史的考察[雨宮昭彦]
第8章 カール・ポランニーにおける市場社会と民主主義[若森みどり]
第9章 日本における「労働非商品の原則」の受容[三宅明正]

第3部 現状
第10章 労働における貧困と差別──買叩きの負の連鎖を断ち切る雇用再生を[中野麻美]
第11章 育児休業制度からみる女性労働の現状[大石亜希子]
第12章 労働と福祉,その光と影──スウェーデンの貧困をめぐって[宮寺由佳]
第13章 雇用多様化と格差是正──オランダにおけるパートタイム労働の「正規化」と女性就労[水島治郎]
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